▼教育の機会均等を放棄する「地域主権改革」

 

 義務教育費の一括交付金化問題

 

 「地域主権大綱」では、使途を明示したいわゆる「ひも付き補助金」について、その内容を「保険・現金給付」、「サービス給付」、「投資」に整理し、社会保障・義務教育関係の補助金は、「基本的に、全国画一的な保健・現金給付に対するものや地域の自由裁量に寄与しない義務的な負担金等は、一括交付金化の対象外とする」としている。

 

 国が、小中学校を設置している自治体に義務教育に使うよう使途を限定して補助金を渡すことは、全国の義務教育に責任を負う国の責務からして当然のことである。

 

 「地域主権大綱」では、義務教育関係の「全国画一的な保険・現金給付」については一括交付金化の対象外とされているが、どのような費用がこれに含まれるのか明かでなく、しかも、一括交付金化の対象外とされる補助金も「できる限り使途の拡大」に努めるとされ、「サービス給付」や「投資」に整理される補助金にいたっては一括交付金化の方向とされる。

 

 本来義務教育に使われるべき補助金の使途が緩和されることによって、財政の悪化に苦しむ自治体において、義務教育ではなく別の用途に支出されるであろう事は容易に予想しうる。そうなると、自治体の財政力により、義務教育の教育水準に格差が生じ、国の義務である教育の機会均等すら維持できなくなってしまう。

 

【※自由法曹団の意見書『「地域主権改革」でくらしはどうなるか』の「第8 教育
」より。全文はこちら】